
予防薬について
予防薬について
マラリア予防内服 マラロン錠
服用方法
【治療】
- 成人:
- 1日1回4錠を、3日間食後に服用。
- 小児:
- 体重に応じて1回1~4錠を成人同様1日1回、3日間食後に服用。
- 5〜10kg:マラロン小児用配合錠の使用
- 11〜20kg:1錠
- 21〜30kg:2錠
- 31〜40kg:3錠
- 40kgより大きい:4錠
【予防】
成人及び体重が40kgを超えている小児は1回1錠を1日1回服用する。マラリアが流行している地域に到着前24~48時間前より服用を開始し、滞在中および流行地域を離れた後も7日間服用する。
体重11〜40kgの小児には、マラロン小児用配合錠が使用されます。
副反応
【主な副作用】
貧血、過敏症、血管性浮腫、血管炎、幻覚、頭痛、不眠症、浮動性めまい、腹痛、悪心、嘔吐
【重大な副作用】
皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑、重度肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞、アナフィラキシー、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少
【上記以外の副作用】
下痢、口内炎、胃障害、口腔内潰瘍、発疹、脱毛、蕁麻疹、低ナトリウム血症、食欲不振、アミラーゼ上昇、肝酵素上昇、発熱、咳嗽
その他の留意点
- 夕方から夜間に活動することから、流行地では夜間の外出は避ける
- 長袖、長ズボンを着用する。特に夜間は明るい色の衣服
- 皮膚の露出部には虫除けスプレー(DEET 30%以上)を使用する
- 部屋は密閉しエアコンを使用する。エアコンが使用できない場合は破れていない網戸を使用し窓を開ける。その際は、蚊取り線香も効果的である
- 設備の整ったホテル以外に宿泊する予定のあるときは、旅行用の蚊帳を持参する
2025年2月作成(金塚内科)
高山病の予防 ダイヤモックス(アセタゾラミドナトリウム)
平地より、短時間で3000m以上の高所に行かれる場合、高山病の予防をすることを目的として服用します。
高い所では気圧が下がり空気がうすくなります。体がそのような環境に慣れることができず、「頭が痛い。」「眠れない。」といった特徴的な症状がみられるのが高山病です。ひどい場合には死に至ることもあります。
高山病は、標高2,500mくらいから起こる可能性があります(富士山に登る人でも起きます)。海外のトレッキングコースには、標高4,000mを超えるものもあるので、経験が豊富な人でも十分な注意が必要です。
また、高山病は登山に伴うものばかりではありません。チベットや南米では、標高3000~4000mの高地にある都市へ、飛行機で直接行くことがあります。このような場合、突然の変化に体が慣れにくいため、高山病になる可能性が高くなってしまいます。
服用方法
- 1日前に1/2錠(=125mg)を朝と夕に服用
- 3000m以上の高地にいる間の第1日目、第2日目、第3日目まで服用
最長4日間服用します。4日目以降は服用する必要は原則ありません。
【注意点】
予防薬を服用していたのにもかかわらず頭痛や吐き気、めまい、脱力感など「山酔い」の症状が出現した場合は、1錠(=250mg)を朝と夕に治療薬として服用します。これに加えて酸素吸入や頭痛薬の服用も行われます。
副反応
【副作用】
ダイヤモックスの副作用としては、ショック、再生不良性貧血、溶血性貧血、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、精神錯乱などが可能性としては報告されておりますが、いずれも稀です。
【禁忌】
次の患者には投与できません。
- 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 無尿、急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある。]
次の患者には長期投与しないこと
・慢性閉塞隅角緑内障の患者
※緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある。
2025年2月作成(金塚内科)